子育ての教養

子供の能力を引き出して育む 「子育てコーチング」ってどんなもの?

ビジネスでは一般的になってきた「コーチング」。最近では子育てでもこのコーチング理論が取り入れられ注目されていますがご存じですか?

くま
くま
子育てでコーチング?どういうことだろう?
MA-HO
MA-HO
コーチングというのは、その人が持っている能力や資質を引き出して伸ばしていくプロセス。子供の能力ややる気を育て、自発的に前向きに取り組む心を育てるための子育て理論として最近とっても注目されているのよ。
くま
くま
なるほど。もっと詳しく知りたいな!
MA-HO
MA-HO
OK!じゃあまずはコーチングについての歴史と子育てコーチングの基礎を教えるね!

そもそも「コーチング」とは?

コーチングというと、スポーツ選手を指導する「コーチ」のイメージを抱く人が多いのではないでしょうか。技術やテクニックを教える人というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、正確には違います。

コーチ=coachという言葉には、もともと「馬車」や「客車」という意味があり、人々を導く・目的地に連れていくという意味合いがあります。(幅広い世代に人気の有名ブランドCoachのマークも、馬車ですよね^^)
そこから派生して、コーチングは、目標に到達させるゴールへのサポートをするといった意味を持ちます。

コーチングそのものが日本で注目されはじめたのは今から20年ほど前ですが、その始まりは紀元前5世紀の哲学者ソクラテスにまで遡ります。1970年代にはスポーツ界で取り入れられ、80年代にはビジネス界にも進出。80年代に大ヒットした「ベスト・キッド」という映画では、自問自答するというセルフコーチングも普及していきます。

90年代以降は、アドラーの心理学などとも融合・派生していきさまざまな理論や知識を加えて確立してきました。歴史が長く、時代や扱う人によってさまざまに変化してきたコーチングは、実はいろいろな種類があるのです。

現在の日本では、主にビジネスの現場でマネジメントに必要なスキルとして注目されています。部下のやる気を引き出すには?部下に成果を出させるには?組織やチームを強くしていくためにやるべきこととは?といった類のテーマも根本にコーチングのスキルを用いていているケースがほとんどです。

頻繁にセミナーが開催されたり、社内研修に取り入れられたりしていますし、関連する書籍も多数出版されているので、目にした・耳にしたことがある方、ビジネスの場で実践している方も少なくないと思います。

こうしたコーチングスキルを子育てに応用し発展したのが、子育てコーチングです。

子育てコーチングの元となったメソッド

上記の流れから、「コーチング」と一言でいっても複数の流派があります。その中でも子育てコーチングのベースとなっている三大コーチングをご紹介します。

コーアクティブ・コーチング (Coactive Coaching)

コーアクティブ・コーチングは1992年にCTIというコーチング・トレーニング組織の中で開発されたコーチング法です。「子供が本来持っている能力を引き出す」という考えの子育てコーチングも、このコーアクティブ・コーチング法がベースにあります。

以下の4つの方法でアプローチします。

コーアクティブ・コーチングのアプローチ

1.傾聴する:話をしっかり聴く
2.承認する:相手の気持ちをそのまま受け止める
3.好奇心を持つ:興味関心を示す質問をする
4.行動させる:問題解決のために何ができるかを相手に結論させる

それまでのコーチングでは、コーチはどうあるべきか、いいコーチとは何かといったコーチングをする側に課題を見出す考えが主流でしたが、コーアクティブ・コーチングでは、一緒に問題解決をしていくことに重きを置いています。
※コーアクティブ(coactive)=「一緒に(co)+行動する(action) する」という意味です。

このコーアクティブ・コーチングによって、コーチされる側の能力や資質を引き出すことがコーチングであると初めて定義づけられました。

コーアクティブ・コーチングのスキルは、ご紹介する3つのメソッドの中でも子供の能力を引き出し、子供の可能性を広げる子育てのメソッドとして一番の核となるものです。

近年人気のモンテッソーリ教育やアドラー心理学に基づいたアドラー式子育てにも、根底には「子供のもつ力を引き出す」「子供の発達に合わせた発育を促す」といった考えがあり、コーチング理論と非常に密接した考えが根底にあります。

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子育てにおいては、「自己肯定感」を高め「非認知能力」を伸ばすことの大切さが叫ばれる昨今ですが、コーチングはまさにこれらの資質や能力を育てるのにうってつけです。

・相手をどう導くかというコーチの技量ではなく、コーチされる側の能力を引き出すことに視点を置いた考え
・子育てコーチングのベースとなるコーチング技法で、子供が持つ能力を引き出すことが目的

GROWモデルコーチング

GROWモデルコーチングは、1980年代に開発されたコーチングのメソッドで、行動を促すために効果的だとされています。現在のビジネスコーチングの基礎となっているのがこのGROWモデルです。

GROWはGoal,Reality,Option,Willの頭文字を組み合わせています。

GROWモデルのアプローチ

1.Goal(ゴール):話し合いの目的(ゴール)を決める
2.Reality(現状):現状の問題を把握する
3.Option(選択):具体的な行動の選択肢を一緒に考える
4.Will(意志決定):どの行動をいつから実行するか決定する

特に幼少期は、子供が自分で問題解決をするのが難しいですので、大人が主体的にゴールへの道筋をつくってあげるような場面では、こうしたGROWモデルも有効です。

・GROWモデルはビジネスコーチングの基礎となっているメソッド
・大人が主導して進めたい場面でのコーチングに適した手法

インナーゲーム

インナーゲームは1974年の著「The Inner Game of Tennis(『新インナーゲム』)」で発表されたコーチングの方法論です。もともとはテニスのレッスンから考案されたもので、スポーツとビジネスの境界のない最初のコーチングモデルの一つとされ、コーチングの源流とも呼ばれているメソッドです。

インナーゲームのポイント

「外なる敵」と「内なる敵」

これまでスポーツでは相手選手(敵)に関する情報を収集しそれに打ち勝つための対策はされてきましたが、このインナーゲームでは「内なる敵」つまり自分自身の内面や心の弱点に注目するという新しい視点をもたらしました。

現在でもテニス、ゴルフ、スキーといった個人スポーツの上達に有効だとされていますが、楽器の上達や仕事でのスキルアップ、子育てにおいても有効であるとされています。

・インナーゲームが着目するのは「自分自身の弱さ」
・自分の内面(インナーゲーム)に勝つことが、実際の勝負(アウターゲーム)に勝つ近道だとしている

子育てコーチングで大事な6ステップ

子育てコーチングでは、子供を相手にするということもあり、ビジネスコーチングやスポーツで使われるコーチングよりもより繊細な過程があります。

子育てコーチングでは、以下の6つのステップが基本です。

子育てコーチングのステップ

1 傾聴する:子供の話をしっかり聴く
2 共感する:感情を受け止め、肯定する
3 質問する:子供が自分を理解できるよう効果的な質問で導く
4 承認する:存在自体を認める
5 行動:子供自身が解決策を見つけるよう促す
6 継続:決めた目標を守れているかフォローする

子供の能力を引き出して育む 「子育てコーチング」ってどんなもの? まとめ

子育てコーチングの元となった3つのコーチングモデルを紹介することで、理解の一助になりましたでしょうか。

ここまででお分かりいただいた通り、「子育てコーチング」と言っても、使う場面や子供の月齢によってある程度の使い分けが必要なスキルだということがわかります。

体型的な知識があると、子育てコーチングを実践する際により理解が増すと思いますので、ぜひこの後で実践的な方法への理解も深めてくださいね。
市販の書籍でも、子育てコーチングの理解を深め、日常でどのように使うかがわかりやすくまとめられています。

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